小さな生き物の大きなちから!

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物質工学科 東岡研究室

 

微生物による環境浄化

 微生物には油を食べてエネルギーとするものがいます。この油分解微生物のような能力をもつ微生物を利用して、汚染された環境を浄化する技術をバイオレメディエーションといいます。バイオレメディエーションは、環境にやさしくコストが低い浄化方法です。タンカー事故などで海に流出した油の浄化や、工場・レストランの排水処理に使われてきました。

 

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どんなことをやってるの?

 現在、培養できる微生物は、全微生物の1%以下といわれています。これまでに培養されていない微生物には、バイオレメディエーションに役立つ微生物がいると考えられます。
東岡研究室では、土壌から油を分解する微生物を見つけ出す研究をしています。培養の方法を工夫し、新しい微生物を探しています。また、酸素のない状態で油を分解する微生物については分かっていないことが多くあることから、硫酸還元菌という酸素がない状態で増殖する微生物について研究しています。

微生物培養の様子

 ビンの中に黒く見えるのが硫酸還元菌のかたまりです。顕微鏡で観察すると棒状であることが分かります。

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先輩からのメッセージ

 私は小学生の時から理科が好きで、さらに中学生の時に実験を行ったことで、より理科に興味を持ちました。また、目に見えない微生物が私たちの生活に大きく関係していることを本を読んで知り「微生物のことを勉強してみたい」と思うようになりました。そこで座学だけではなく専門的な実験ができ、また興味がある微生物を勉強できる高知高専に入学しました。現在は、バイオレメディエーションに用いることを目標とし、石油系炭化水素を分解する新しい微生物を、従来使われていない培養材料を使って見つける研究をしています。
(清水ヶ丘中学校出身:川竹郁佳)