南国市と高知高専の連携事業(①参照)において、衛星を利用したアマチュア無線による新しい非常通信システムの実証実験に成功しました。この非常通信システムでは、デジタル化されたアマチュア無線通信網を使っており、スターリンク衛星のインターネットサービスと無停電電源装置を組み合わせることにより、南海トラフ大地震のような大災害による停電や地上の通信インフラがダウンした場合でも、アマチュア無線での広域非常通信の運用が可能となります。
今回の実証実験では、南国市の津波避難タワーにスターリンク衛星のアンテナと、アマチュア無線設備を設置して(②、③、④参照)、実際に広域通信が可能であることを実証することができました。このようなシステムを津波避難タワーに設置するのは世界で初めてで、大地震発生時の人命救助だけでなく、津波に関するリアルタイム情報共有の支援がアマチュア無線を活用することにより可能となります。
今後、防災用としてスターリンクを導入する県市町村で、このようなシステムをアマチュア無線家の協力や日本アマチュア無線連盟高知県支部の支援を得て設置することにより、次世代の非常通信ネットワークの構築が可能となると期待されます。
なお、この実証実験は四国情報通信懇談会の令和6年度の調査研究の委託により行われているものです。
【参考URL】
四国情報通信懇談会の調査研究 https://www.shikoku-ict.jp/research/
①【実施体制】
・システムの構築・実験担当
高知工業高等専門学校 客員教授 今井 一雅、准教授 岩崎 洋平
日本アマチュア無線連盟高知県支部 支部長 乃一 廣己
・システムの評価・実地検証担当
南国市危機管理課 課長 野村 学、課長補佐 吉田 一成
②【本実証実験のシステム構成図】
③【本実証実験が行われた南国市の津波避難タワー】
④【津波避難タワーの屋上に設置されたSTARLINKアンテナとアマチュア無線用アンテナ】